自虐の詩

試写会にいてきた。
ひとつひとつ大事なことを確認してくれるような丁寧で優しく素晴らしい映画でした。
ありきたりなストーリーでありきたりなドラマで、あらすじやサイトや予告見ても全然興味がわかなk・・・って今予告見直したら泣きそうになったぜ。そう、期待はしていなかったのだけど期待以上の面白さでした。例えば昔の日本映画ってさ、静かで暗い映像で人間ドラマを映しだしていたような気がするけど、それを今明るく撮ってみたらこんなに面白くなるんだ!と思った。
演技や場面をとても丁寧にみせてくれて、ものすごく分かりやすい映画になってる。中盤から話が展開していって、その場面から伝わるメッセージのようなものがどんどんドラマになるに連れて、じわりじわりと体に沁みこんでいくのが分かる。そしてエンドロールで安藤裕子の曲とそれまでのゆっくりで優しく確実な映画のテンポが同調して、結末の浄化感をぐっと深いものにしてるのがたまりませんでした。
中谷美紀ということで「嫌われ松子の一生」を思い出したけど、こっちは人間のあったかいところの話にまとまってて、比べるならば「自虐の詩」のほうが好み。星をつけるならば5点満点。邦画好きならオススメです。